おかげさまで、ikususuは30年近くの歴史があり、最近はメンテナンスやリメイクのご相談を多くいただくようになりました。
そんな中で今回、茨城県のお客さまよりリメイクのこんなご相談をいただきました。
「環境が変わって、今ほど大きなローテーブルが必要なくなったけど、家族との想い出がつまったテーブルなので捨てたくはない。
デスクにリメイクすることは可能でしょうか?」
LINEやメールで打ち合わせを重ねた結果、天板を利用したひと回り小さい引き出し付きのデスクとして生まれ変わりました。
新たに製作した部品も多いのですが、お客さまにとっては想い出の詰まったテーブルが生まれ変わったという、その事実に喜んでいただきました。
ソファの前にある大きなローテーブル。
きっとご家族の脳裏に焼き付いている大事な家族の風景だと思います。
それが形を変えたとは言え、同じ天板で作られたデスクとして、これまでと変わらずソファの傍に佇んでいます。
その空気感は、きっと同じように家族の風景として感じてもらえるはずです。
こうして想い出を残しながらも、ライフステージに合わせてよりよく作り変える「リメイク」の必要性は、今の時代にこそ強く実感します。
作り手としても、長く大切に使ってもらえること、リメイクをしてでも手元に残したいと思ってもらえることは、この上なく幸せなことです。
現代社会において、SDGsやカーボンニュートラルなど環境に負荷をかけないモノづくりは必須条件です。
新しく作ることが全てではなく、あるものを長く使うことで資源やエネルギーの使用を減らすことができます。
その点でも今回のようなケースは、これからもっと増やしていくべきロールモデルとなるような気がします。
まさに「三方よし」です。
江戸時代の近江商人が辿り着いたこの「三方よし」という思想は、まさに今こそ必要ですね。
また、注目すべきは「Re」だとも感じています。
今回のような、リメイクだけでなく修理(Repair)やメンテナンスだって永く使うサイクルの大事な一部です。
メンテナンスにあえてReを当てはめるとすると「Renewal」や「Reborn」なんかどうでしょう。
ikususuでは、お客さまの想い出はそのままに、できるだけこの先も永く使える家具としての「Re」を考えます。
「もう十分使った」「元は取った」
処分する前に他の可能性を探ってみると、意外な道が見つかるかもしれません。
必要としている人に譲ることだって、立派なReですしね。
照井