東京のお客様よりIXTB-1600HAKOタイプの別注品をオーダーいただきました。IXTB-1600HAKOは、本体と前面のフラップ扉が、45°の加工によって一体となり、板の厚みが見える箇所がなく、そのシャープなデザインが人気の製品です。今回は、HAKOの構造で、脚はなく、まさに「箱」。仕上げは特色チャコール色。

そして、さらにおもしろいことに、通常下開きのフラップ扉である前板は、今回は開きません！指をかける彫り込みもなく、開けにくいのでも何でもなく開きません。本体に固定してあるのです。こうなると、何に使うのか、中に何か入れて使うものなのか？頭の周りをクエスチョンマークが飛び交う状態です。さて？

正解は、お客様はテレビボードIXTB-1600HAKOをお持ちの方で、おそろいのデザインでスピーカー台に欲しいとのことで、ご注文いただきました。上の写真の通り、通常のIXTB-1600HAKOと同様、裏板はなくオープンな状態なので、本体を裏返せば中に物を収納することはできます。ただ、正面からは開けられそうで開けられません。

開けられることを拒むかのように、まるで開けてはならないパンドラの箱です。

チャコールの落ち着いた色がシャープなデザインを際立たせています。木目が完全に見えなくなるわけではなく、うっすらと見えることが表情となり自然な質感を演出してくれます。

今回のように、お客様のアイデアで、おもしろい唯一無二の家具ができあがるのはオーダー家具の魅力です。製作する側としても、常識にとらわれない発想に刺激をいただいています。

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